美容室がアミノ酸系シャンプーを選ぶ理由とは？

アミノ酸系シャンプーとは、髪の成分であるアミノ酸を洗浄成分（アミノ酸系界面活性剤）として使用しているシャンプーのこと。

界面活性剤と聞くと、「えっ、それって髪によくない成分なのでは……？」と連想する人も多いかもしれませんが、それは一部の石油系界面活性剤の話です。洗浄力が高すぎて刺激が強いのが問題です。

でも、水と脂分をなじませて髪の汚れを洗浄するためには、シャンプーにはなんらかの界面活性剤が必要です。

だからこそ、髪の成分に近いアミノ酸を主な洗浄成分としたアミノ酸系シャンプーの人気が高まっているのです。

そして、アミノ酸系シャンプーは今日では多くの美容室でも使われています。

髪のプロフェッショナルである美容師さんたちが好んでアミノ酸系シャンプーを選ぶ理由とはいったい何なのでしょうか？

理由その1　「刺激が少なく、髪を守ってくれる」

アミノ酸系シャンプーには、一部の石油系界面活性剤などを使用したシャンプーに比べて肌への刺激が少ないという特徴があります。

美容師さんたちは、毎日たくさんのお客様の髪を洗います。ですから肌に刺激が強いシャンプーを使い続けると、ひどい手荒れに悩まされてしまいます。

そのため、ひんぱんにシャンプーをしても肌への刺激が少なく、手荒れの原因になりにくいアミノ酸系シャンプーを選ぶ美容室や美容師さんが多いというわけです。

なお、シャンプーのときには手袋をつける美容室もありますが、手袋は髪が引っ張られたりデリケートな施術ができなかったりという理由で素手にこだわる美容師さんも多くいます。

もちろん、私たちは美容師さんほどひんぱんにシャンプーを使うわけではありませんが、それでも毎日のようにシャンプーで髪を洗うわけですから、できるだけお肌にやさしい、刺激の少ないアミノ酸系シャンプーを選んだほうが安心というわけです。

髪の成分と同じアミノ酸系シャンプーを使うことで、傷んだ髪のタンパク質を守りながらやさしく洗える点も魅力です。

理由その2　「皮脂を取り過ぎない」

私たちの肌は「皮脂（ひし）」という薄い油脂状のバリアで守られています。

皮脂は肌を乾燥から守り、病原菌や雑菌の侵入も防いでくれる大切な役目を果たしています。

ところが、過剰な皮脂はベタツキの原因にもなり、古くなると毛穴につまってニキビや臭いの原因にもなってしまうのです。

頭皮でもその事情は同じです。適切な量の皮脂はブラッシングなどによって髪の表面をコーティングしてくれますし、頭皮のコンディションを整えるためには欠かせません。

でも頭皮の皮脂が多すぎると髪や地肌のベタツキ、イヤな臭いの原因になります。

「多すぎてはダメ。落とし過ぎてもダメ。常に新鮮な皮脂を適切な量だけ肌に残すこと」が頭皮を含むスキンケアの基本です。

その点、アミノ酸系シャンプーは一部の石油系界面活性剤系のシャンプーなどと比べて「皮脂を落とし過ぎず、適度に肌に残す」という性質があります。

そのため、夏場など汗ばむ季節にも「洗いすぎは髪に悪いから……」という心配をすることなくシャンプーできます。そのため美容室でもアミノ酸系シャンプーが選ばれているのです。

理由その3　「乾燥フケの原因となりにくい」

フケが増える原因は頭皮環境の悪化、とりわけ乾燥と深い関係があります。適度に皮脂を残すことで頭皮の乾燥を防げれば、フケの予防に役立ちます。

また「頭皮がかゆい！」と感じてから数日してものすごくフケが大量に発生した、という経験はありませんか？

これは、頭皮が皮脂過剰や乾燥、汚れ、シャンプーの刺激などによって炎症を起こしているためです。

刺激が少なく、皮脂を適度にコントロールできるアミノ酸系シャンプーならこうしたトラブルの予防に役立つでしょう。

これも美容師さんたちがアミノ酸系シャンプーを選ぶ理由のひとつになっています。

理由その4　「髪がしっとり艶やかになる・まとまりやすい」

髪の毛がパサつきやすい。まとまりにくい。こういう髪質の方にはアミノ酸系シャンプーが特におすすめです。

アミノ酸系シャンプーは皮脂を適度に残し乾燥を防ぐため、シャンプー後の髪に潤いが残り、しっとりと艶やかになります。髪のまとまりもよくなるので、シャンプー後のブローやスタイリングも決まりやすく、美容師さんに喜ばれています。

成分表示はしっかりチェック！

このように、いいことずくめに思えるアミノ酸系シャンプーですが、アミノ酸系シャンプーならどのメーカーのどの商品でもいいというわけではありません。ひと口にアミノ酸系シャンプーといっても、その成分は製品によって大きく違います。

シャンプーには「洗浄基剤」といわれる主成分、「洗浄助剤」や「コンディショニング剤」といわれる副成分、さらにその他の添加剤などが含まれています。アミノ酸系シャンプーを選ぶときには、主成分だけでなく副成分にもどんなものが使用されているのかをチェックしましょう。

できるだけ天然成分が多く、特に「ボタニカル」といわれる植物由来のパワーを髪に取り入れられる、刺激の少ない製品を選ぶのがアミノ酸系シャンプー選びの第一歩です。

値段や口コミだけで選ぶのではなく、自分で成分をしっかり調べて信用・安心できるもの、そして自分の髪質にあうものを選んでください！